変わらない包み紙が運んできた、懐かしい再会
先日はお彼岸でしたね。久しぶりに訪ねてきてくれた親戚から、文明堂のバームクーヘンをいただきました。 「お変わりない?」という言葉とともに差し出された、あの見慣れた上品な包み紙。
世の中は目まぐるしく変わっていきますけれど、こうした「変わらない定番」を携えて会いに来てくれる心遣いが、何よりの御供養であり、私への最高のご褒美のように感じたひとときでした。
漆黒のコーヒーと奏でる、大人の甘い調和
さて、一人になった午後、さっそく封を開けます。 個包装から現れるのは、年輪のように丁寧に、かつ力強く重ねられた黄金色の層。

今回は、豆から丁寧に挽いたブラックコーヒーを相棒に選びました。 一口食べると、卵の豊かな風味が口いっぱいに広がり、その優しい甘みをコーヒーのキリッとした苦味が追いかけていく……。この「甘味と苦味の絶妙な往復運動」こそが、大人の休日の醍醐味だと思うのです(笑)。
生地は期待を裏切らないしっとり感。パサついて喉に詰まるような心配もない、この「計算された優しさ」に、老舗の揺るぎないプライドを感じずにはいられません。
喧騒のあとに訪れる、静寂という名の贅沢
賑やかな再会の時間も良いものですが、その後に訪れる、こうして一人でお菓子を味わう静寂もまた、私にとっては捨てがたいものです。
コーヒーを一口啜り、バームクーヘンの美しい層をじっと眺めて。 次はどのタイミングでコーヒーを含もうかしら、なんて。 そんな、他人から見ればどうでもいいような小さな選択に没頭できる時間が、今の私には一番の贅沢かもしれません。
黄金色の余韻に浸りながら
お彼岸の忙しさが一段落した後の、この甘いひととき。 誰に勧めるでもなく、ただ自分のためだけに封を切り、お気に入りのカップでコーヒーを啜る。
「ああ、今日もいい一日だった」
そう心の中で呟きながら、最後の一口を飲み込む。 お腹だけでなく、心までふんわりと満たされるような、そんな静かな満足感に浸った午後だった。



コメント